日本のカルト映画を代表する塚本晋也監督の最新作「鉄男 THE BULLET MAN」と、クリエーターユニット「AR三兄弟」のコラボレーションイベントが5月20日、赤坂オフィスハイツ(港区赤坂4)で行われた。
塚本さんは映画監督や脚本を手掛けるほか、自らの作品にも出演するなど俳優としても活躍。1989年に上映された「鉄男」ではローマ国際ファンタスティック映画祭グランプリを受賞、1992年の「鉄男II BODY HAMMER」ではタオルミナ国際映画祭審査員特別賞などを受賞し話題に。今作品は続編でもリメークでもない作品に仕上がっている。
コラボレーションした「AR三兄弟」のAR(Augmented Reality)とは「拡張現実」の意味で、ウェブカメラなどを通して現実世界の映像に3Dオブジェクトやテキスト、動画、画像などのデジタル情報を重ね合わせて見る仕組みのことで、セカイカメラなどで注目を集めている技術。そのAR制作と独自のパフォーマンスでこの分野をけん引する「AR三兄弟」が、「鉄男」のためだけに世界初のAR装置を開発。興奮した脳波が映像を変化させるという技術を駆使し、「鉄男 THE BULLET MAN」の世界観を現実に移植する脳波ARを披露した。
塚本さんは「こうした技術に関して詳しいと思われているが、本来は全く詳しくない。今日みたいに『鉄男』を通していろいろな体験をさせてもらっている。何もない空間に何かがあるように見えるというのは面白いと思った」。鉄男を演じる主演のエリック・ボシックさんは、「最初の『鉄男』が上映された時代は携帯電話も普及していなかったのに、今の技術の進化は素晴らしい」と話した。
同作が公開される渋谷シネマライズ(渋谷区)では、脳波ARを体感できる装置を設置する予定。