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当日は、愛知医科大学皮膚科の渡辺大輔教授、厚生労働省健康・生活衛生局の竹内皓太さん、「エムスリー総合研究所」副所長の松山亮介さんの3人が登壇し、帯状疱疹ワクチン接種の現状や重要性についての講演やトークセッションなどを行った。
渡辺さんは「帯状疱疹とは帯状に並んだ水ぶくれが出る病気のことで、原因はウイルス。日本では、50歳以上の人の約100人に1人が帯状疱疹にかかり、80歳以上では3人に1人が発症している。ワクチンを打ってない子どもに感染すると、全身が水ぼうそうの状態になり、治った後も体内に潜伏する。年齢が上がると、一つの神経痛から再活性化し再び発症する。ワクチンを打つことで、これらの後遺症の確率を減らせるという報告が寄せられている」と話した。
次に登壇した竹内さんは「本年度から帯状疱疹ワクチンの定期接種化が始まった。対象年齢は65歳。60歳以上65歳未満の人で、人免疫不全、ウイルスによる免疫の機能の障害がある者として厚生労働省で定められている人も接種できる。予防接種は2種類あり、A類疾病はまん延予防に比重を置いたもの、帯状疱疹を含むB類疾病は重症化予防に比重を置いたもので、費用負担などが異なる」と説明した。
 最後に松山さんが「弊社の調査でも、帯状疱疹のことを『知っている』人と、実際に『接種した』人にはまだ差がある。自治体などから案内が届いた際には前向きに受け止めていただき、ぜひ接種を検討していただきたい」と話した。