赤坂の老舗和菓子店「とらや 赤坂店」（港区赤坂4、TEL 03-3408-2331）が9月1日、「重陽（ちょうよう）の節句」にちなんだ生菓子の販売を始めた。

きんとん製の「菊の酒」

　9月9日は「重陽」で、五節句のうちの一つ。旧暦では、菊が咲く季節であることから「菊の節句」とも呼ばれている。今回用意したきんとん製の「菊の酒」（540円）は、小倉あんを練り切りで包み、網でこしてそぼろ状にした黒と紅のそぼろあんを添え、秋らしい落ち着いた色合いの菓子に仕上げる。

　「季節の羊羹（ようかん）『千歳（ちとせ）菊』」（2,160円）も用意する。秋の花として知られる菊が「延年（えんねん）」「千代見草（ちよみぐさ）」「齢草（よわいぐさ）」などの異名を持ち、不老長寿の象徴として尊ばれていることから菓銘を付けたようかん。紅･黄･紫の鮮やかな色合いで、長寿を祝う菊を表す。

　9月7日から3日間限定で「重陽」（638円）も販売。重陽の節句は「栗節句」とも呼ばれ、この日に栗を食べる習慣があったことにちなんで用意する生菓子。刻んだ栗の入った栗あんを包んだ桃山製で、栗は今年収穫された国産の新栗を使う。

　とらや広報担当の橋爪佐和さんは「かわいらしい栗の形が特徴の『重陽』は、新栗の風味豊かな味わいをお楽しみいただける。五節句の一つ『重陽の節句』には、菊にちなんだ『菊の酒』や『千歳菊』とともに秋の訪れを感じてほしい」と話す。

　営業時間は9時～18時（土曜・日曜・祝日は9時30分～）。毎月6日定休。「菊の酒」は15日、「季節の羊羹『千歳菊』」は9月下旬ごろまで販売（いずれも準備数に達し次第終了）。