明治記念館(港区元赤坂2)で7日、「2015年本屋大賞」の発表会が開催され、大賞受賞作に上橋菜穂子さんの『鹿の王』(角川書店)が選ばれた。
同賞は、「全国書店員が選んだいちばん!売りたい本」をキャッチコピーに、出版業界の活性化のため、年に一度全国の書店員の投票によって選出される文学賞。今年で12回目を迎え、昨年は和田竜さんの『村上海賊の娘』が受賞した。
今回大賞を受賞した上橋さんは、1962年東京都生まれ。1991年に刊行した『月の森に、カミよ眠れ』で翌年、日本児童文学者協会新人賞を受賞した。受賞作の『鹿の王』は、架空の異世界で、強大な帝国・東乎瑠(ツオル)に最後まで抗った戦士団独角(どっかく)の頭だったという過去を持つ奴隷の主人公ヴァンが、女児ユナと共に囚われている岩塩鉱を脱出するファンタジー小説。
大賞以下の順位は、2位が西加奈子さんの『サラバ!』、3位が辻村深月さんの『ハケンアニメ!』となった。当日は翻訳小説部門も発表され、ピエール・ルメートルさん(橘明美さん訳)の『その女アレックス』(文藝春秋)が大賞を受賞した。