出版物の企画・制作やイベントの企画・運営を手掛けるサーキュレーション・プロデュース（新宿区）はインターネット放送とフリーペーパーを連動させ、地方自治体や商店街など地域情報を発信する新形態のメディア「スタジオ・アイ」を本格的にスタート。11月10日～12日に都道府県会館（千代田区平河町2）に臨時のサテライトスタジオを開設し、各都道府県の職員が地域情報を発信するチャンネルを始動した。

　「地域と中央をつなぐ」ことをコンセプトに掲げ地域情報を発信する同放送局は今年6月からインターネット放送を試験的に開始。現在、全国の商店街の情報を発信する「商店街放送局」や全国のアンテナショップの展開を紹介する「アンテナショップ」、地域の商工会議所青年部が仕掛けた事業展開を紹介する「屋台村」など、テーマごとに分けられた11のチャンネルで構成される。今回新たに都道府県の職員が地域情報を発信する「都道府県チャンネル」を開設した。「地域を中央に近づけるのではなく、中央を地域に近づけさせたい」と同社の有馬朱美社長。

　同放送局は、無料通話や動画配信も行うことができるインターネット電話サービスの「スカイプ」を利用しており、各チャンネルのスタジオと各自治体のアンテナショップや地域の商店街などに設けられたスタジオとつながるのが特徴。地域のスタジオとつなげることで地域の生産者の声など地域の生の情報を配信する。

　各番組と同社が編集・企画を行うフリーペーパー「エヴァプレス」も連動させる。同誌は全国版と地域ごとに発行している地域版で構成されている。各地域版を都心で配布し、都心に住む人に各地域の情報を配信。また、各地域の情報をまとめた全国版を全国約5,800ケ所で配布し、全国に全国各地の情報を届ける。同放送局では同誌で掲載できなかったきめ細かい情報や同誌と連動した番組を放送。同誌をインターネット放送への誘導として活用する狙い。「フリーペーパーとインターネット放送を利用し、地域に人とお金が向かう動きを生み出したい」と同社長。

　新しく開設された「都道府県チャンネル」では、現在約10ケ所の地方自治体が各地域の情報を配信する予定。各都道府県の職員が各地域の特産品やイベントを10分間にわたってPRする。今後も「都道府県チャンネル」の臨時のサテライトスタジオを都道府県会館に随時開設する方針で、来年初めにも同会館に常設のスタジオを開設する考え。