国立国会図書館(千代田区永田町1)がインターネット上で公開する「デジタル化資料」約41万点のうち、1930(昭和5)年に発禁処分を受けた書籍「エロエロ草紙」が高いアクセス数を記録している。
収蔵する資料や書籍のデジタル化を進める同館では現在、210万点を超えるデジタル化資料のうち、約41万点をネット上で公開している。「官報」の創刊号といった貴重資料のほか、江戸期以前の和古書、清代以前の漢籍などの古典籍、一部の博士論文なども含まれる。
「エロエロ草紙」は1930(昭和5)年11月に出版されるはずが、「公序良俗を乱す」との理由で製本中に発禁処分を受けたいわく付きの書。昭和初期に流行した「エログロ・ナンセンス文化」を当時の雰囲気を伝えるイラストとともに紹介している。著者の酒井潔は西洋文化に造詣が深く、多数の翻訳書も残している。
9月9日現在、アクセス数ランキングは1位(1万4978アクセス)。2位の「最近朝鮮事情」(5339アクセス)に比べ倍以上の人が閲覧している。
同資料の人気の高さについて、同館広報担当者は「6月ごろにどなたかがツイッターなどで広めたようだ。特に宣伝しているわけではないので驚いている」と話す。
資料は同館ホームページで閲覧できる。