虎屋赤坂本店(港区赤坂4)2階の虎屋ギャラリー10月1日より、所蔵品展「富岡鉄斎とその周辺」展が開催されている。
富岡鉄斎は同社とゆかりの深い人物。鉄斎が47歳のときに虎屋京都店に近い室町通り一条下ル薬屋町に転居し、亡くなるまで約43年間、同地で暮らしていた。同社の14代店主の実弟で、京都店総支配人だった黒川正弘氏が鉄斎に師事し、鉄斎自身「拙者のまな弟子」として紹介するほど親密であった関係から、同社は多くの鉄斎の作品を所蔵している。
現在、同社の酒まんじゅう「虎屋饅頭」の井籠掛け紙とし使用されている「羅漢虎上図」も、鉄斎が虎屋主人のために描いたもの。虎に乗った羅漢が虎屋饅頭の入った器を持つ姿を描いたものと言われている。現在も、一条店には「虎屋饅頭」と大書された鉄斎の書が飾られている。
同展では鉄斎の作品とともに、鉄斎が影響を受けた作家知人らの作品を展示。「青緑山水図」「仙縁奇遇図」「墨龍図」の鉄斎作品3点をはじめ、狩野探幽、与謝蕪村、伊藤若冲など15点を展示する。「昨年、所蔵作品の調査を行い、その発表の場として開催を決めた」(同社)。
鉄斎とゆかりの深い虎屋饅頭も10月1日から、期間限定で販売している。価格は、単品=399円、化粧箱入り(5個入り)=2,205円、井籠入り(5個入り)=2,783円。
開催時間は10時~17時30分。入場無料。今月20日まで。