モニターやカメラに映った映像に、文字や絵などのデジタル情報を重ねて表示する技術「拡張現実(以下、AR)」の活用が幅広い分野で進んでいる。そんななか、ソニー・ミュージックエンタテインメント(港区赤坂9)は、8月31日に発売したユニコーンの新作アルバム「Z?」においてAR連動のCD購入者限定特典を提供した。
ARをテーマにしたクリエーティブ集団「AR三兄弟」とのコラボで実現したこの企画では、WEBカメラを搭載したパソコンで同アルバムの特設サイトにアクセスし、CDをカメラにかざすと、アルバムの曲にまつわる全5種類のゲームが楽しめる。
そのひとつ「ARレディオ体操」は、画面右下に表示されるパペットの動きに合わせてカメラの前で手を動かすゲーム。また、メダカに変身したユニコーンのメンバーが登場する「メダカの格好」では、指先をつまんでエサをあげるふりをし、めだかが集まってきたところで画面を手の平で叩くとメンバーが「アーッ!」と痛そうな声を挙げる。
デジタルサイネージなど広告の分野で注目を浴びてきたARだが、現在ではこのようにゲームにも活用する事例が増えている。
ARを活用した玩具を企画・販売するウィズ(中央区)では、iPhoneやiPod touchを装着し、現実世界を舞台にシューティングが楽しめるARシューティングガジェットトイ「アプリズムシリーズ アプブラスター」(2,800円)を9月17日に発売。iPhoneやiPod touchにシューティングアプリを導入し、「アプブラスター」本体に装着すると、カメラで撮影した実写映像にバーチャルなターゲットが次々に登場するという仕組みで、9月15日~18日に開催された「東京ゲームショウ2011」にも出展した。
これは同社が展開するデジタルデバイス連動型のガジェットトイシリーズ「アプリズム」のひとつで、レーシングハンドル型アタッチメント「アプウィール」なども発売されている。同社では今秋以降、シリーズアイテムをさらに充実させていくとのことで、今後の展開に注目が集まっている。