節電やサマータイムの導入によるライフスタイルの変化を受けて、日産自動車(神奈川県)が新たな節電対策として夜のドライブを推奨するキャンペーン「よるドラ」を7月4日より実施するなど、今夏は日本全国で大手企業が様々な節電対策に励んでいる。そんななか、今年3月に完成した赤坂の「節電ビル」(港区赤坂8)に注目が集まっている。
ビル建設の大手、戸田建設株式会社(中央区)が建設したこのビルは、最先端の環境技術を取り入れた設計で、ビルから排出するCO2の排出量を約40%削減。さらに、およそ50項目からなる節電技術により、従来の約40%の節電も実現した。
同ビルの窓には透過型太陽光発電パネルを採用。見た目は従来のすりガラスのようだが、直射日光を抑える効果だけでなく、ビルで使用する照明などの発電も行う。また、道路に面したこのは窓はすべて2重になっており、それが屋上までの吹き抜けになっている構造で、夏場は暑い空気を屋上から排出し、冬場は室内の暖房に利用できる。他にも、パイプに流れる水で空気を冷やす空調システムなどが取り入れられている。
震災の影響により、予定されていた入居がすべてキャンセルになってしまったという同ビル。しかし、企業の節電対策が重要視されるにつれ、現在は問い合わせや見学が殺到しているという。