上智大学(千代田区紀尾井町7)で5月21日、講演「オーストラリア・タツラ収容所の記憶~ニューカレドニア日本人移民の足跡をたどって~」が開催される。主催は学内共同研究「エスニックマイノリティ支援と宗教団体に関する国際社会学的研究」。
太平洋戦争が勃発した当時、オーストラリア東方のニューカレドニアに移住していた日本人は即日逮捕され、オーストラリアのヘイ、ラヴデー、タツラの収容所に移送された。今回の講演では、家族組が収容されたタツラ収容所での抑留生活を中心に、逮捕から強制送還までを現地で調査を行った写真作家の津田睦美さんが成果報告する。
津田さんは成安造形大学准教授も務め、2009年度文化庁新進芸術家海外研修制度の在外研修員として現地を訪問した。当日は津田さんが講師を務め、自身が撮影した写真を紹介しながら講演を行うほか、ニューカレドニアで生まれタツラ収容所で幼少期を過した「タツラキッズ」をゲストに迎える。
「ほとんどの日本人が『天国にいちばん近い島』と言われるニューカレドニアと日本人移民の関係を知らず、オーストラリアでの強制収容って何だと思われることでしょう。津田先生は日本人移民たちが戦争と国際関係の波のなかで翻弄されたことを、写真家の目を通して明らかにされる。多くの皆さんにニューカレドニアと日本の関係史、国際関係と国際移民について考えてほしい」と主催者代表の蘭信三上智大学教授。
講演開始は17時30分。場所は上智大学図書館8階L-821室。入場無料。