明治記念館(港区元赤坂2)で4月11日、「2017年本屋大賞」の発表会が開催され、大賞受賞作に恩田陸さんの『蜜蜂と遠雷』(幻冬舎)が選ばれた。
同賞は、「全国書店員が選んだいちばん!売りたい本」をキャッチコピーに、出版業界の活性化のため、年に一度全国の書店員の投票によって選出される文学賞。今年で14回目を迎え、昨年は宮下奈都さんの『羊と鋼の森』が受賞した。
今回大賞を受賞した恩田陸さんは、1964年宮城県生まれの小説家。第3回日本ファンタジーノベル大賞の最終候補作になった『六番目の小夜子』で1992年にデビュー。2005年『夜のピクニック』で第26回吉川英治文学新人賞、第2回本屋大賞を受賞。2度目の受賞となる『蜜蜂と遠雷』はピアノコンクールを舞台に、人間の才能と運命、音楽を描いた青春像小説。第156回直木三十五賞も受賞した。
当日の発表会で恩田さんは、「大賞受賞を聞いたときは2回ももらっていいのかと半信半疑だったが、いま会場の熱気を感じ、これまでの頑張りが間違いでなかったと実感している。本屋大賞はわたしの誇り」とコメントした。
大賞以下の順位は、2位が森絵都さんの『みかづき』(集英社)、3位が塩田武士さんの『罪の声』(講談社)となった。当日は翻訳小説部門も発表され、トーン・テレヘン(長山さきさん訳)の『ハリネズミの願い』(新潮社) が大賞を受賞した。