ロンドン五輪マラソンへの出場権が消滅したカンボジア代表の猫ひろしさんは5月12日、羽田空港ターミナルビル(大田区)内で記者会見を開いた。
昨年10月にカンボジア国籍を取得し、同国マラソン代表としてオリンピック出場を目指していた猫さん。一時は正式な代表に選ばれたが、国際陸上競技連盟が今年3月に改定した新基準「連続した1年以上の居住実績」か「国際陸連理事会による特例承認」を満たしていないとの判断が下り、オリンピック出場が取り消された。
会見で猫さんは「残念な気持ちはあるが、今まで通り練習を続けて4年後のリオ五輪を目指したい」と語った。当面の活動としては、6月にカンボジアで開催される「プノペン国際ハーフマラソン大会」に出場する予定という。
「まだまだタイムが伸びているので、これで終わりにはしたくない。来年の世界陸上やシーゲーム(東南アジア競技大会)で結果を残し、リオ五輪へ挑戦させてもらえれば」と猫さん。
会見に同席した同国オリンピック委員会のワット・チョモラン事務局長によると、猫さんは今年10月18日から正式にカンボジア選手として認められるといい、「まだチャンスはある。次こそはカンボジア代表として出場して欲しい」とエールを送った。
「今後もカンボジアのスポーツ発展に貢献していきたい」と意気込みを語った猫さんだが、赤坂のカンボジア大使館(港区赤坂8)は猫さんのランナー活動継続に関し、「特に申し上げることはない」とコメントを差し控えた。