屋外アートイベント「AKASAKA ART WAVE」の内覧会が3月13日、TBS放送センター裏の南公園周辺(港区赤坂5)で開かれ、参加アーティスト3人が作品の見どころや制作背景を紹介した。
作品「work(seascape)」を紹介する井上ひかりさん
「AKASAKA ART WAVE」は、「海」をキーワードに、公園周辺を「波打ち際」に見立てて、美術作家の井上修志さん、同・井上ひかりさん、彫刻家の柴田まおさん、現代美術家の松田将英さんの4組が屋外作品を展示する。
当日は、TBSのプロデューサー・高山暢比古さんと、キュレーションを手がけた田尾圭一郎さんが企画意図を説明したほか、井上修志さん、井上ひかりさん、柴田さんが自作について語った。
井上ひかりさんは「青いホースを編み込んだ作品『work(seascape)』を制作した。赤坂という場所は谷になっていて、登ったり降りたりする動きがある。作品の中でも、ホースの線を目で追うことで、そうしたリズムを感じてもらえたら」と話した。
柴田まおさんは「内部に入ることができる青い彫刻作品『BLUE LOTUS』を展示した。モニター越しには彫刻が消えたように見える構造で、空間や人同士の関係性、コミュニケーションの大切さを改めて感じたことを作品に落とし込んだ」とコメントした。
井上修志さんは「テトラポッドや砂などを取り入れた作品に仕上げた。作品に使った砂の山には、赤坂の地下20メートルの砂を使っている。地元の宮城・石巻で、震災後に街が大きく変化していく様子を見てきた経験も制作につながっている。赤坂の再開発や土地の移り変わりも、壊す・作るということだけでなく、地表で起きている変化の一つとして作品に反映した」と述べた。
田尾さんは「約1万年前に海だった土地の記憶や、2028年に向けて再開発が進む街の変化、そして今この瞬間の風景が重なり合うイベントになっている。短期・中期・長期の時間軸の中で、感覚や知覚を少しでも揺るがせたらと思った」と語った。
高山さんは「2028年に向けて赤坂で再開発が進む中、大切にしなければいけないもの、残さなければいけないものは何だろうと向き合ってきたのがスタート地点。赤坂一帯はかつて海だったとされ、目に見えないものを信じる力は現代アートにも通じるものがある。普段アートに触れない人が、街の中で思いがけずアートに遭遇するような体験の第一歩にしたい」と話した。
開催時間は10時~18時。入場無料。3月29日まで。