赤坂見附の中国料理専門店「中国茶房8」(港区赤坂3、TEL 03-6234-9788)が、旧グランドプリンスホテル赤坂(千代田区紀尾井町1)に避難している福島県の被災者を対象に、ランチを無料で提供している。
同店は、24時間営業の北京ダック専門店。都内に4店舗、関西に1店舗を構える。赤プリへの被災者移転のニュースを受け、同店が加盟するエスプラナード赤坂商店街復興組合の理事長・城所ひとみさんを通じて「何かできることはないか」と同ホテルに申し出た。
調整の結果、「土曜・日曜・祝日のランチ無料提供」を実施することが決定。同店フロアチーフの瀬戸山公二さんは「ホテルに缶詰めになっているよりも、気分転換に赤坂の街での食事を楽しんでもらえればと考えた。おなかいっぱい食べて赤坂を好きになってもらいたい。いつか赤坂に戻ってきた際にほんの少しでも良い思い出として懐かしんでもらえれば」とも。
提供するメニューは、「四川風マーボー豆腐」(650円)や「海鮮五目チャーハン」「農家の野菜五目あんかけタン麺」(以上780円)など15種類と週替わりランチ。来店時に同ホテルの「入館証」か「カードキー」を提示すれば無料になる。約360食の提供を予定。
福島県のいわき市から家族で避難している女性は「一緒に避難してきた友人に『まだ行ってないの?』と言われて今日は来てみた。土地勘がないので、こうした機会がないとなかなか外出する気にもなれない。良い気分転換になったのでうれしい」と話していた。一方、「6月末までしかホテルにいることはできないので、小学生の娘は1学期が終わる前にまた転校になってしまう。せめてもう1カ月はここにいることができないものか」とも。
ランチの営業時間は11時~15時。