東京都は4月4日、福島県の震災被災者受け入れ施設となる旧グランドプリンスホテル赤坂(千代田区紀尾井町1)の受け入れに関する詳細を発表した。
同ホテルは3月31日に建物の老朽化を理由として閉館したが、東京都との協議により、閉館から取り壊しが始まるまでの3カ月間、福島県の被災者受け入れ施設として活用されることが決まっていた。
発表によれば、受け入れ対象者は「都営住宅などに当選しなかった福島県からの避難者で、国から避難指示などが出された地域(福島第一原発から30キロメートル圏内)以外からの避難者」及び「都が設置した一時避難施設(東京武道館、味の素スタジアム、東京ビックサイト)を利用している避難者」としている。
施設の利用は無料だが、食事やコインランドリーは有料での提供、トイレットペーパーや歯ブラシなどの生活必需品も避難者が各自で用意する。ホテルとしてのサービス機能はなく、あくまでも東京都が運営する「避難施設」としての利用となる。
東京都都市整備局の担当者は「避難者へのボランティアや救援物資を届けたいという声も多くいただいている。しかし、現状は入居の手続きを進めるのに精一杯で、どのようにボランティアを受け入れていくかというところまで決まっていない。原則として館内の部外者の立ち入りを禁止するので、今後、千代田区などとも協議の上窓口を設置し、そこでボランティアや救援物資の受け付けを行うことになるだろう」と話す。
提供室数は約700室。最大でおよそ1600人を収容する。受け入れ期間は4月9日~6月30日まで。