赤坂区民センター(港区赤坂4)で6月26日、三遊亭京楽さんによる「赤坂チャリティー寄席」が開催された。主催は赤坂スーパー環境落語実行委員会・エスプラナード赤坂商店街振興組合。
10年ほど前から1年に1度開催されている同公演。同組合理事長の城所ひとみさんは「もともとは京楽さんが日本赤十字社に寄付をするチャリティー落語の会をやっていた。伝統・文化が根付いている赤坂と落語のコラボレーションは素晴らしいと思い、商店街として主催することを決めた」と振り返る。
京楽さんは防災落語、福祉落語、環境ミュージカル落語などの新作落語を広げるため、全国の落語会で活躍中。秋には中国公演も控える。
今回の環境落語のテーマは「沖縄のサンゴ礁」。サンゴの島で育った幼なじみの3人の物語「ぬちどぅたから(命は宝)~サンゴの島~」を披露した。サンゴが枯れ果てている海を見た3人は、さまざまな困難や地元の人の言葉を受け、命と自然の大切さに気付いていく。落語の合間には沖縄のサンゴ礁の映像に三線と和太鼓の演奏、琉球舞踏も盛り込まれた。収益は日本赤十字会と環境NPO法人アクアプラネットに寄付される。
チャリティー寄席について、城所さんは「今、漠然とした社会の問題をわかりやすく落語に盛り込んで伝えている。古典と違って新作はやさしい言葉で伝えるので、子どもでも楽しめる。身近な問題が寄席を通してお客さんの心に残るはず」と話す。
京楽さんは「今回は沖縄の物語だったが、赤坂のボランティアの皆さまの血と汗と涙の結晶、人と人とのつながりで毎年開催されている。来年も開催できそうなので、ぜひ足を運んでもらえたら」とも。