森ビル(港区)は2月23日、アークヒルズ周辺で進めてきた「赤坂榎坂森ビル」(港区赤坂1)の竣工式を執り行った。
同ビルは、同社がアークヒルズを中心に推進している戦略的エリア開発の一環として開発したもの。同ビル以外に現在、アークヒルズ向かいの「赤坂2丁目計画(仮称)」、アークヒルズの裏手にあたる「六本木1丁目北計画(仮称)」などのプロジェクト、「虎ノ門・六本木地区 第一種市街地再開発事業区域」の再開発を展開。同ビルは赤坂周辺のエリア開発の第1号物件として竣工式を行った。
「同エリアは当社が昔から開発を行っていることに加え、国際性、文化性に富んだエリアで、将来的にもますます発展すると見込んで開発を行っている。アークヒルズと同ビルに設置したモニターを連動させ、オフィスワーカー向けの情報なども配信していく予定」と同社広報担当者。
同ビルの総延べ床面積は約9,284平方メートル、基準階の貸室面積は約568平方メートル。地下2階、地上11階建となる中規模のオフィスビル。地上2階~11階をオフィスフロア、1階部分を店舗フロアとして供用する。1階エントランスロビーには、森美術館が監修したアート作品を設置。「自然と環境」をテーマに、新進気鋭で成長性のある作家の作品を中心に採用していく予定。現在、IT関連企業、内装デザイン関連企業などが入居する予定だという。
同社が都市づくりのコンセプトに掲げる「Vertical Garden City(立体的な緑園都市)」の構想に基づき、同ビルの屋上には芝生のルーフガーデンを整備。バーベキューやパーティーなどができる設備を整え、オフィスワーカーのコミュニケーションの場として提供。1階店舗からのケータリングも可能だという。ビルの全面スペースや路地裏にも植栽を施し、アークヒルズから続く緑との連続性も実現する。
また、同社は業界初となる「オフィスカーペット100%リサイクルシステム」を同ビルより実施する。同システムはエコマーク認定のタイルカーペットを標準採用し、テナント退去時に発生する使用済みタイルカーペットを再資源化するシステム。タイルカーペットの再資源化で年間約6万平米の廃棄物削減、エコマーク認定カーペットの標準採用で年間42トンのCO2削減につながるという。