

葛飾区内に拠点を構えるデザイン事務所・株式会社SaGAS(サガス)と、段ボール専門メーカー・丸正製函株式会社は、屋外用遊具モジュール「にじぶろっく」を共同開発し、2026年5月30日(土)・31日(日)に東京都葛飾区の曳舟川親水公園で開催される「全国みどりと花のフェアかつしか」にて初公開します。
国際的に活動する建築家の設計力と、80年にわたり段ボールと向き合ってきた職人の素材知識が融合した本製品は、葛飾区が誇る地場産業を活かし、子どもから高齢者まで多世代が能動的に関わる「公園の新しい使い方」を提案するものです。

葛飾区が主催する「全国みどりと花のフェアかつしか」は、緑と花をテーマに地域の魅力を発信するイベントです。今回の会場のひとつであるお花茶屋駅至近の曳舟川親水公園(こち亀エリア)は、住民に親しまれる水辺の緑道ですが、より多くの方に足を運んでもらうための「公園そのものが人を引き寄せる仕掛け」が求められていました。
この課題に対し、当会場の出店支援を務める株式会社じも研が、株式会社SaGASと丸正製函株式会社を引き合わせました。「子どもたちの創造力を受け止める公園を作りたい」という建築家と「段ボールの可能性を広く伝えたい」という地元の職人の想いが共鳴し、葛飾区の取り組みを先進的な実験の舞台として、前例のない段ボール遊具の企画が動き出しました。
そうして完成した試作品を初めて見た設計者の子どもが、思わず「虹ブロックだー」と叫びました。光の屈折で偶然現れパッと消えていく虹のように、公園に人が集まりわっと広がる--そんな一言から、製品名「にじぶろっく」が生まれました。プロジェクトの哲学が、一人の子どもの歓声によって証明された瞬間でした。

特徴1:シンプルだけど、組み合わせは無限に広がる「シンプルだけど、組み合わせたらシンプルじゃない」を設計思想に、バウムクーヘン型の単一ユニットを複数組み合わせることで多様な構成が可能となっています。立てる・横にする・重ねる--置き方ひとつで全く異なる遊び方や風景が生まれます。塗装は7色+段ボール素地色。多様性を表現しつつ、段ボールらしさをあえて残したデザインです。


(株)SaGAS (サガス)共同代表 杉浦 岳氏
特徴2:創業80年の職人技と国際的に活動する建築家による共創プロセス葛飾区水元で80年にわたり段ボールと向き合ってきた丸正製函と、国際デザインアワード等で受賞実績を持つSaGASの建築家が、正面から向き合いました。
素材の声を聴きながら試作を重ね、長年培われた地場の技術と都市をデザインする建築家の眼差しが融合することで、屋外および低予算という制約を突破したプロダクトが生まれました。

丸正製函(株)
整備された公園の芝生の上に、突如として現れるバウムクーヘン型の段ボール遊具。この「異物感(バグ)」が人の目を引き、立てる・横にする・重ねるといった子どもたちの予想外の遊びを誘発します。その姿を起点に、親や祖父母世代も自然と集まり、滞留する景色が生まれます。「にじぶろっく」は公園を「与えられた場所」から「自分たちで能動的に楽しむ場所」へと変え、居合わせた人々の間に顔の見える関係性を生み出す仕掛けとして機能します。
形状
外径1,200mm・内径640mmの円を3分割した120度円弧型
寸法
幅280mm × 高さ(厚み)280mm
重量
約7kg(1ユニットあたり)
製造数
12ユニット
素材
段ボール(一部塗装:7色+素地色)
「段ボールという素材が持つ可能性を生かして、子どもたちが体全体で感じてくれる場をつくれたことが嬉しいです。当社として80年積み上げてきた技術が、公園という舞台で新しい形になりました。」
── 丸正製函株式会社 代表取締役専務 浅野 誠 氏
「公園という公共空間が、訪れた方にとって自分の家のように感じられる場所になれば嬉しいです。 にじぶろっくは、使い方や形をあらかじめ決めすぎず、利用する人の発想に委ねることで、 「みんなのもの」である公共空間に、一人一人が主体的に関われるきっかけをつくりたいという思いから生まれました。 子どもが自由に遊ぶ姿をきっかけに、親や祖父母世代まで自然と人が集まり、 その場にいる人同士がゆるやかにつながっていく。 そうした風景が生まれることで、公園がより身近で、愛着の持てる場所になっていくことを期待しています。」
── 株式会社SaGAS 共同代表 杉浦 岳 氏
「葛飾の地場産業と新鋭の建築家を引き合わせ、フェアという公共の場で実験できたことは、まちづくりの新しいモデルになると感じています。」
── 株式会社じも研 担当:尾上 由野