双子の兄弟が経営する鳥専門店が1周年-ビジネスマンを中心に人気

赤坂に出店して1周年を迎えた「心人」を経営する本間俊明さん(左)、本間英明さん(右)。

赤坂に出店して1周年を迎えた「心人」を経営する本間俊明さん(左)、本間英明さん(右)。

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 赤坂の鳥専門店「鳥屋 心人」(港区赤坂3、TEL 03-5545-6630)が2月6日、開店1周年を迎えた。

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 同店は本間俊明さんと本間英明さんの双子の兄弟が昨年オープンした鳥専門店。2人は食鳥処理免許を持っており、鮮度の高い鳥を丸ごと一羽使い、焼き鳥や鳥の刺身をメーンに提供するのが特徴。通常、鳥を仕入れるときは鳥の内臓を抜いた「中抜き」と呼ばれる状態で仕入れられるが、食鳥処理免許を所持している同店には内臓が入った状態の鮮度の高い鳥が手に入ることから、鳥の内臓など珍しい部位のメニューも提供する。

 2人は、自営業だった父親の影響を受け小さいころから店を店すのが夢だったという。修行時代も、独立して2人で店を開くときにより幅広い料理を提供することを考え、それぞれスタイルの違う店で修行。それぞれの得意分野を生かし、俊明さんは「焼き」を、英明さんは刺身など「焼き」以外のメニューを担当する。

 赤坂に出店する前は、板橋で3年間同じ屋号で営業。毎日満席の状態が続く人気店で、利用客に「それだけの腕があるなら都心に出たほうが良い」と勧められ赤坂への出店を決意した。しかし、出店当初は、ほとんど客もなく店を続けていくのも厳しかったという。「最初の3~4カ月は、1組や2組しか来ない日もあり苦しかった」と英明さん。

 食鳥処理免許を使用し、鮮度の高く、珍しい部位のメニューを提供しているスタイルがメディアの目に止まり、雑誌などで紹介されたことから、ビジネスマを中心に人気を集めるように。来店客の9割をリピーターが占めるという。

 2人は、経営が苦しい時も昼の11時から開店の18時まで仕込みに時間をかけてきた。「お客さんが来なかった次の日も、お客さん喜んでもらえるよう一から仕込みをしていた。仕込みに手を抜かない板橋からのスタイルを崩さなかったことが人気を得ることにつながった」と英明さん。休日も、養鶏場や店で提供する酒の酒蔵の麹室(こうじむろ)を見て回るなど余念がない。「養鶏場や麹室の生の声や顔をお客さんに紹介するため、実際に足を運んでいる」(俊明さん)。

 メニューは「地鶏モモたたき」(1,300円)、「地鶏ムネたたき」(1,000円)、「地鶏ささみの昆布〆め」(780円)など鳥の刺身、「ささみ」(390円)、「ねぎま」(420円)などの焼き鳥をメーンに提供。焼き鳥は鳥の皮とのリンパ腺を交互に刺した「だき皮」(320円)、横隔膜の「はらみ」(360円)、ひざの軟骨の「げんこつ」(320円)など、同店でしか扱っていない希少部位を使ったオリジナルメニューもそろえる。鳥は甲州軍鶏を中心にその時、その時に生きの良い鳥を提供しており、これまで20種類近くの鳥を扱ってきた。鳥の種類や客が飲んでいる酒に合わせて、「その鳥が一番おいしく感じられる味付け、焼き加減で提供する」(俊明さん)。11月~2月はジビエも用意。

 アルコールは2人が足を運んで選んだ福島の日本酒を中心に提供。福島の酒造の「純米大吟醸」(1,400円)、「しぼりたて生原酒」(800円)、1988年の古酒の「貴醸酒」(3,000円)や日本酒を作るための水であり日本酒作りの命とも言える酒造秘蔵の「仕込み水」も提供する。ジビエに合わせワインも取りそろえる。

 「うちは鳥しかない。いかに鳥の良さ引き出していくかに挑戦し続け、進化していきたい」と俊明さん。

 営業時間は18時~24時。土曜・日曜・祝日定休。

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