岡村製作所、永田町に「いすの博物館」-オフィスチェアの歴史を紹介

岡村製作所で開発されたいすが時系列順に並ぶ「いすの展示室」の様子。中央のスペースで企画展などを行っていく予定。

岡村製作所で開発されたいすが時系列順に並ぶ「いすの展示室」の様子。中央のスペースで企画展などを行っていく予定。

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 オフィス家具の製造・販売などを展開する岡村製作所(神奈川県横浜市)は2月12日、永田町・外堀通り沿いに同社のオフィスチェアの歴史や構造を紹介する「オカムラいすの博物館」(千代田区永田町2、TEL 03-3593-6195)をオープンした。

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 同施設はオフィスチェアなど家具を通じて、戦後の産業史・技術史・ものづくりの精神を伝承することを目的に、資料収集・調査研究・教育啓蒙を行う拠点として開設したもの。戦後まもなく創業した同社では、これまで同社の技術史・産業史などの蔵書資料などが体系的に保存されていなかったことから、資料を体系的に整理し、社内にライブラリー施設を設置することを企画。「もともと社員の教育啓蒙を目的とした社内の施設として展開する予定だったが、外部の人にも開放する『博物館』という形で展開した」と同館・館長の星野朝治さん。

 施設面積は約450平方メートル。同社が永田町に構える自社ビル内で展開しており、1階と7~9階を博物館として使用。1階には同社の技術の原点、ものづくりの精神の象徴として同社が創業期に開発した日本初の前輪駆動オートマチック車のスポーツモデル「ミカサツーリング」を展示。7階には人間工学に基づいたいすの座り心地などを体験できる展示フロア「いすの科学」、8階には同社が開発してきたオフィスチェアを収蔵した展示フロア「いすの展示室」を設け、9階はシアタールームとして使用する。

 戦後、米軍が持ち込んだスチールいすの修理などから始まった、同社のオフィスチェアの開発。1951(昭和26)年から独自にスチールデスクといすの生産を始めており、同施設の「いすの展示室」では、1953(昭和28)年に開発された創業期のオフィスチェアから近年のモデルまで計29脚のオフィスチェアを時系列順に並べて展示。1958(昭和33)年に開発し、現在でも販売しているというロングセラーの「2218型」や「究極のいす作り」というテーマに挑戦し開発された「Contessa(コンテッサ)」などを並べ、オフィス環境の変化に伴い進化を遂げたオフィスチェアの歴史や技術・戦略の変遷を紹介する。

 「いすの科学」では、観覧客の体格に合った理想的ないすを計測する「エルゴノミック・シーティング・シミュレータ」を設置。着座時の身体にかかる圧力の分布などを測定し、理想的な着座姿勢を提案。そのほか、いすの座面や背もたれの角度の違いによって生じる座り心地の変化を体感できる装置を用意するなど、同社が行ってきた人間工学に関する産学協同研究の成果や基礎知識を紹介している。

 まずシアタールームに観覧客を案内し、同社の歴史やイスに関する映像コンテンツを上映。その後、同社スタッフが他の展示フロアを案内し、それぞれのオフィスチェアや体感装置などの展示物について説明する。全プログラムの観覧にかかる時間は約1時間30分を想定。

 「今後はいすに限定せず対象を広げていきたい。企画展も定期的に行っていく予定」と星野さん。 開館時間は9時~17時。土曜・日曜・祝日定休。入場無料。事前に電話予約が必要。

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