世界の子どもたちに使い古しのグラブを寄付-企業がプロジェクトを立ち上げ

野球情報総合サイト「JBaseball.com」のトップページのイメージ。同サイトのメーンコンテンツとして、野球少年・少女から使い古したグラブを集める「ファースト・グラブ・プロジェクト」を展開する。

野球情報総合サイト「JBaseball.com」のトップページのイメージ。同サイトのメーンコンテンツとして、野球少年・少女から使い古したグラブを集める「ファースト・グラブ・プロジェクト」を展開する。

  • 0

  •  

 ウェブサイトの作成・運営や野球選手の活動のマネジメント・サポート事業などを展開するブルックリン・ハイツ(港区赤坂1)は1月30日より、国内の野球少年・少女から小さくなって使わなくなったグラブなどの野球道具を集めて世界中の子どもたちに贈るプロジェクト「ファースト・グラブ・プロジェクト」を始めた。

[広告]

 同プロジェクトを手掛けるのは、メジャーリーグの試合をメーンに実況・解説を行うアキ猪瀬さん。メジャーリーグでは昔から、新品のグローブを母国の子どもたちに送るという「ファースト・グラブ・ファウンデーション」という活動が行われていた。猪瀬さんは以前そうした活動を目の当たりにし、日本でも普及させようと考えた。近年、日本の野球番組の視聴率が落ちていることなども踏まえ、同プロジェクトの立ち上げに踏み切った。

 アメリカではプロ野球選手が個人で新品のグラブを子どもたちに送るというトップダウン方式のシステム。資金的な規模がアメリカに比べ日本は小さく、個人でそのような活動することが難しいことから、日本では野球少年・少女たちが使い古したグラブを集め、世界の子どもたちにグラブを送るボトムアップ方式で活動を展開する。

 ボトムアップ方式で展開することで、日本の子どもたちに野球をやっていることがチャリティー活動につながることを実感させ「チャリティー心」を芽生えさせることも目的のひとつ。そのためグラブの配送料は子どもたちが自らお小遣いから捻出(ねんしゅつ)して出す仕組みにする。同プロジェクトに賛同するスポーツ店が窓口となり、グラブの寄付を受付ける。グラブ提供者には賛同するプロ野球選手の同プロジェクト特別限定グッズをプレゼントすることで寄付を促す狙い。

 世界には素手や牛乳パックで作ったグラブでしか野球をやったことのない子どもたちも多く、グラブはそうした野球環境が整っていない地域の子どもたちに贈られる。今年は1万個を目標にベネズエラのスラム街の子どもたちに贈る予定。現在、ベネズエラは野球の勢いが盛んで、グラブを有効的に活用してもらえる見通しがあることから同国を寄付の対象とした。対象を海外の国にすることで、日本の子どもたちに世界へ目を向かせる狙いも。「野球を盛んにしようと考えたときに、子どもたちの底辺を広げることで世界に野球文化がじわじわと広がるのではと思った」と猪瀬さん。

 東京ヤクルトスワローズの川島亮投手や阪神タイガースの上園啓史投手、福岡ソフトバンクホークスの馬原孝浩投手、大場翔太投手など多くのプロ野球選手が同プロジェクトに賛同しており、「使わなくなった野球道具が世界中の子どもたちに使ってもらえるなんてうれしいですね。自分のグラブを使って野球を始める子どもがいると思うだけでワクワクします。自分も頑張ります」(大場投手)とコメントを寄せる。

 同プロジェクトは2月16日、野球情報総合サイト「JBaseball.com」も開設する。プロジェクトに関するコンテンツをメーンに、プロ野球・高校野球の試合結果の速報や、少年野球クラブなどの情報も提供する。賛同選手のブログを開設するなど、野球情報総合サイトとして展開、野球愛好者の交流の場にする方針。

 猪瀬さんは「グラブを提供した側、された側が互いの国や地域を行き来しての交流、親善野球大会の開催を目指す」と今後の展望を語る。

 グラブの提供は4月1日より受け付けを開始する。詳しくは同サイトで確認できる。

赤坂経済新聞VOTE

今、赤坂にほしい施設は?

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース